治ったと思っていた。義母の進めた免疫療法も一応終え、毎月の検査も良好ですっかり治った気分でいた私達。周囲も当然そんな思いで、仕事は相変わらずの激務。 そんな中で、夫の実の両親の事で大問題が持ち上がった。これは夫の闘病記には載せていないから私が詳しく書くことはできないが、これについて夫は真剣に悩んだ。 私は夫ほど、楽観的な性格ではないから、なぜ夫を巻き込むのかと義父母が許せなかった。この大事な時期になぜ夫に相談するのか、と。 義妹には話せないから結婚しているお前に相談したい、と夫を頼ってくる義母。 止めて!!とどれほど言いたかったか。公証役場にまで付き合わされて。 夫がどんなに心を痛めていたか。楽観視できない病気だと、一緒に告知されていたのに、もう忘れているの? これが原因ではない。おそらく夫の病気はCTに写らないレベルで消えていなかったのだ。 夫が病気前の無茶な生活に戻ったからでも、両親の悩み事を聞いたからでもなく、癌は夫の体から消え去ってはいなかったのだ。 病気が発覚してから1年4ヵ月。夫は再発を告げられた。 |